CEOインタビュー

ビレッジアレイ 村木 洋介インタビュー

技術者としての経験を積んだソニー時代

村木さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

私は2014年までソニーでエンジニアをやっておりました。

プレイステーション3というゲーム機のCPU・GPUといった半導体の量産業務に関わり、テキサスIBMやシリコンバレーのエヌビディアに常駐するような形で海外赴任も経験もしています。

ソニーの技術者として経験を積まれたんですね

はい、その後は医療診断機器開発プロジェクトに参加し、システムグループリーダーとしてシステム全体の開発実装の指揮をとり製品化しました。

製品化の後は技術営業という形で販路開拓なども経験して、設計から販売まで一通りのポジションを経験したのもこの頃ですね。

2012年にはソニーへの貢献が認められ、MVPとして表彰されました。

 グローバルCTOのオファー

その後デンマークのJAI A/S企業に転職されたということですか? 当時の思い出は?

2014年にデンマークのJAI A/SからグローバルCTOというポジションをいただいて転職しました。

世界各地にある拠点や工場の技術を統括するという立場から、在任中はあちこちに出向きましたが、なかでも印象的だったのはドイツです。

「インダストリー4.0」という産業政策を掲げ、製造業改革を進めるドイツ企業は、参考になることも多く、刺激を受けた思い出があります。

FA用カメラを開発されたと聞いています。

次世代カメラを開発して、CTO(最高技術責任者)という立場で結果を出すことができました。

グローバルかつインターナショナルという働き方というものを経験し、エンジニアリングの可能性も実感した頃です。

独立をお考えになったのはその頃からですか?

シリコンバレーのエヌビディアなど当時のスタートアップ企業と関わりを持つことも多く、刺激を受けました。

いつかは自分も独立したいという気持ちが芽生えた気がします。

それでVAC(ビレッジ・アレイ・コーポレーション)を設立したんですね。

はい、2017年に日本でVACを設立しました。

 VACの名前の由来

VACの名前の由来を教えてください。Vは村木からとったとお聞きしましたが、Aはどういう意味ですか?

自分がFPGA(Field Programmable Gate Array)の技術を専門としているところから、Array を入れています。

色々な技術を持った優秀なエンジニアを束ね、クライアントの要望に沿ったチームを編成して伴走支援するといった想いが込められた社名です。

技術者としてのこだわりが込められているんですね。では、VACの事業内容を教えてください。

まず大きく「技術支援」と「技術リーダー育成」のふたつに分けられます。

「技術ポートフォリオ」について

ではまず「技術支援」から説明をお願いします。「技術支援」は具体的に何を指しているのでしょうか。

ひとつは、「技術ポートフォリオ(技術資産)相談・再構築」です。

企業で保持すべき技術なのか、他社とオープンイノベーション的に使うといったことも検討したり、具体的な社会実装まで手がけることも多いです。

このあたりは自分の技術者・経営者としての経験や、海外・スタートアップなどで積んできた経験が存分に活かせるところだと思います。

企業の持つ「技術ポートフォリオ(技術資産)相談・再構築」についてのお問い合わせは、近年増えているのでしょうか。

増えていますね。特にある程度歴史がある企業からの問い合わせが多いです。

90年代後半あたりから2000年頃にかけて、日本企業が特許申請した技術は多くありますが、中には製品化に至らず塩漬け状態で寝かされている技術も多いのです。

技術の塩漬け…ですか。休眠特許と言われるものもその範囲でしょうか。

そうですね、ある程度人員もリソースもかけた技術だけど製品化に至らず、企業も活用先を見出せず寝かした状態の技術を指します。

それを現代にマッチするようにアレンジをして、事業化や社会実装するよう、VACが伴走支援する場合が多いですね。

「技術開発コンサルティング」とは

なるほど。他の技術支援は何がありますか

FPGA 設計開発や組込みの支援などの「技術開発コンサルティング」ですね。業者の紹介や仕様のやり取りなども支援しています。

「技術リーダー/技術責任者育成研修」

技術リーダーの育成は、どの企業も注目するところだと思いますが、VACはどんな育成を考えていますか?

こちらも大きく分けてふたつ、「技術リーダー育成研修」と「プロジェクトマネジメント研修」をご用意しています。

ではまず「技術リーダー育成研修」とはどういうものか教えていただけますか?

日本企業は必ずしもCTO(最高技術責任者)という役職ではないのですが、要は技術部門の責任者、もしくはそれに準じた方へ提供する研修になります。

専門的な技術知識のほか、企業のビジョンを共有した技術経営の視点と最先端技術を把握し、世界的な技術革新のレベルに対応できる先見性や柔軟さをもたせるマンツーマン研修になります。

「プロジェクトマネジメント研修」

プロジェクトマネジメント研修」も技術リーダー向けなんでしょうか?

いえ、こちらは立場や経験から3コースに分け、PMP®︎(Project Management Professional)の資格を持つ講師が研修を行います。

一般社員から管理職まで網羅しているんですね。

環境や市場など企業や技術を取り巻く状況は目まぐるしく変わりますが、この研修を受けることで、そういった変化にも強い企業や人材を育てたいと考えています。

企業の改題解決のために大切にしたいこと

今までVACができることを中心にお聞きしてきましたが、企業の課題解決のために大切にしていることは何ですか?

現場に入って、担当者や社員はもちろんですが、あらゆるステークホルダーとご一緒させていただき、ヒアリングをすることです。

「本当の課題は何か」ということをきちんと見極め、状況を把握することが大事だと考えています。

問題を解決するために、企業の方向転換などもあるのでしょうか。

新規分野や新規カテゴリーへの転換というようなことももちろんあります。

簡単なことではありませんが、企業の足りないリソースを補う施策や業者や技術者とのマッチングなども含め支援させていただきます。

最後にVACの技術を事業化に導く伴走支援についてメッセージをお願いします。

技術の種を育てて事業化に導く、そのための伴走支援ができるのがビレッジアレイです。

急激な変化に対応できる企業となり存続するために、技術と経営の双方から支援いたします。

ビレッジアレイコーポレーションCEO村木